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文春新書『英語学習の極意』著者サイト

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美術館・画廊メモ 15

平成24年3月15日~5月8日の美術日誌。日付の新しい順に記録してあります。(画廊展はほぼ2件に1件の割合で、これはというもののみ記録しました。)
各項冒頭の6桁の数字は日付です
(例: 220108 = 平成22年1月8日)。 展覧会名にリンクが張ってあるものは、ぼくのブログ本篇の関連記事へ飛びます。
このひとつ前の 平成24年1月15日~3月14日の美術日誌 は、美術館・画廊メモ 14 にあります。
このひとつ後の 平成24年5月9日~7月8日の美術日誌 は、美術館・画廊メモ 16 にあります。


240507 存在の美学 第2回伊達市噴火湾文化研究所同人展 (~5/8) @ 日本橋高島屋6階美術画廊 
(細密写実人物画のたのしみ、8人展。小尾(おび)修さんの「休息」がピカイチでした。つかのまの眠りから覚めたところか、小鳥のような少女のかすかな おびえ。細い手指がきゅっと。石黒賢一郎さんのペリカンのインク瓶の静物画はいいんですが、最近登場するブスな眼鏡女 (どうも化粧しだいでは美人のようにも思われる) は何とかしてほしいです。たしかに納豆の糸的に後を引くものはあるけど。)

240506 MOT Collection 特集展示|福島秀子、クロニクル1964-|OFF MUSEUM (~5/6) @ 東京都現代美術館 常設展示室 
(3F展示冒頭の、浅井裕介さんの泥絵 earth painting がいちばん良かったんじゃないかな。あと、中村宏さん昭和43年作品 「円環列車B (望遠鏡列車)」 が Paul Delvaux めいてサイコーだった。ぼくが美術館をつくるとしたら、目玉にしたい作品さ。)

240506 靉嘔 ふたたび虹のかなたに Ay-O: Over the Rainbow Once More (~5/6) @ 東京都現代美術館 
(ぼくにとっての靉嘔は、展覧会冒頭にも飾られた青春作品 「田園」 の奥ゆき感。渡米し帰国後の作風暗転を過ぎ、平面的な虹の饗宴が花開く。なんと多作なひとだ。ぼくの気に入りは昭和55年作品 「線のアンソロジーB」 や昭和57~59年作品 「自画像 ストローク」 なのだけど、そのスタイルの作品は短命だ。かくも流転の作家だったとは。最終日をのがさなくてよかった!)

240506 田中敦子 ― アート・オブ・コネクティング (~5/6) @ 東京都現代美術館 
(「色彩球体の配線」 というコンセプトがよほど性に合ったひとらしく、ごく若い模索期を除けばスタイルが一貫している。しあわせなひとだ。)

240506 Ann Tarantino 展 “Tiny Topographies” (~5/27) @ neutron tokyo 3F (南青山二丁目) 
(インクに空気を吹きかけることで生まれる線の芽を存分に活かした構成は新鮮だし、混色もこのひとならでは。平成16~18年に京都にいたことが色彩を深めたのかも。)

240506 西川 茂 展 “From the Faraway Nearby” (~5/27) @ neutron tokyo 1-2F (南青山二丁目) 
(たしかな腕前の風景写実は広大な空をのこし、そこに乱れきったオシログラフを描いて不安感をかきたてる。絵具の垂らし。しかし、それを手法として繰り返されたとき、すでに驚きの気持ちは失われ、たちまちにしてスタイルへの飽きが支配してしまう。ぼくはこのひとの風景写実そのものに向き合ってみたいんだけどな。)

240505 マックス・エルンスト フィギュア×スケープ 時代を超える像景 (~6/24) @ 横浜美術館 
(「美しき女庭師の帰還 Retour de la belle jardiniere」「子供のミネルヴァ Enfant Minerve」。ブロンズの 「王妃とチェスをする王」。展覧会冒頭を飾る35歳の作品、エロスのない裸婦画 「偶像」 は、ひとわたり見終って再度会いに行ったが、謎のままである。
コレクション展は、Man Ray の写真作品群がよかった。なかでも、Meret Oppenheim のポートレート3枚組。Hans Bellmer の写真もいい。)


240504 竹内栖鳳と京都画壇展 雅の伝統と進取の気風。 (~5/20) @ 講談社野間記念館 (文京区関口二丁目) 
(やはり栖鳳さんの筆遣いは他の画家さんらとは格が違う、一目でわかる。野間清治氏が広く昭和初期の画壇の画家に注文して描かせた十二ヶ月図が興味深く、上村松園・福田平八郎の絵が別格である。土田麦僊の大作 「春」 の展示も。)

240504 後藤友香(ゆか)&古泉(こいずみ)智浩 人生謳歌 (~5/27) @ hiromart gallery tokyo (文京区関口一丁目) 
(かたや陽、かたや陰だけど、あざやかな色調で図らずも統一感がでた二人展。古泉智浩さんは引きこもり男とオカンを描いてるんだけど、すなおに、可愛い女の子を描いてほしいね。古泉さんの漫画本 『ピンクニップル』 購入。)

240504 国立新美術館開館5周年 セザンヌ パリとプロヴァンス (~6/11) @ 国立新美術館 企画展示室1E 
(ごく初期とごく晩年の作品を除けば、風景画、人物画、静物画というふうにジャンル分けした展示だったが、ぼくとしては時系列で作品を見たかった。セザンヌは幸福なひとというか、生涯にわたりスタイルを変えなかったひとなので、これでよかったのかもしれないけれど。朝一で行って、まず展覧後半を落ち着いて鑑賞した。)

240503 第86回 国展 (~5/14) @ 国立新美術館 
(具象幻想画が多いなか、森本草介さんの描く白日会ばりの愛らしい Nude が異彩を放っていた。彫刻では、こじまマオさん 「頭脳の変換」 が佛教素材と近代工場、古城に犬のイメージを合体させた冒険作。なびす画廊で会った鈴木由奈さん、スルガ台画廊で会った川越ゆりえさんの新作と対面。
愛媛県出身の若い作家・谷口朋栄さん、昭和63年生まれ鳴門教育大 院在学中、はかなげな女性を描く。あと、昭和58年生まれ女子美修士の吉田嘉名さんの、現代浮世絵というべき描線と赤色使いは、脳に残るね。井上あやさんの 「現代風景I」 の曼荼羅ふう。)


240502 後藤美鈴 展 (~5/5) @ 純画廊 (銀座一丁目)
(花や果実と毛髪や毛皮の取り合わせ。赤と黒。美大の修士レベルのみごとな腕前で、第3回アーティクル賞を受賞しているが、経歴上は茨城県立取手松陽高校の美術科卒。じつは東京藝大一本にしぼって受験したが4度果たせなかった過去がある。いまをときめく松井冬子さんも藝大合格は5度目の受験だったが。昭和57年生まれ。)

240502 アンノウラジュンコ七宝展 (~5/5) @ ギャラリー La Mer (銀座一丁目)
(七宝焼で虫や草花や魚介を描く。ぎらつかず絶妙の混色。蝶の標本など、七宝とは思えぬリアルさだ。)

240502 櫻井陽司の藝術 「心の芯の問題だ」 (~5/4) @ ギャルリさわらび (銀座一丁目)
(濃厚なタッチで子供を、神田駅の煉瓦壁を、鯛や牡丹を描く。大正4年柏崎市生まれ、平成12年歿。ギャルリさわらびは開いているときが少ないが、きょうは若いオーナーがおられて 「画商になったのは、櫻井陽司さんが亡くなって数年後、その絵に魅せられたからだ」 という。予算オーバーながら、去り難いものを感じた。たぶんいつか、買わせていただくと思う。)

240429 ブリヂストン美術館開館60周年記念 あなたに見せたい絵があります。 (~6/24) @ 石橋財団ブリヂストン美術館 (京橋一丁目)
(スタンダードな名品に会える展覧会として万人にすすめたい展覧会だった。
関根正二 「子供」 の鮮烈な色とひねり。和田英作 「チューリップ」 の女性のくびもとの色っぽさ。国吉康雄 「横たわる女」。黒田清輝 「ブレハの少女」 の陰性の力強さ。藤島武二 「黒扇」 「天平の面影」 「浪 (大洗)」。
Georges Rouault の 「郊外のキリスト」 にあらためて感動する。新収蔵の岡鹿之助 「セーヌ河畔」 の色が好き。
現代美術では、Zao Wou-ki の “07.06.85” が惑星ソラリスの風景。何度見てもいい。
階段に展示された Aristide Maillol のブロンズ彫塑「欲望」にあらためて揺さぶられる。)


240427 清水 操 展 (~5/1) @ 日本橋高島屋6階美術画廊 (日本橋二丁目)
(沖縄の空気が、ふっと漂う。風が吹いてくるのではなく、ふっと漂う。沖縄を描きつづけた、昭和30年生まれ、東京藝大日本画卒、保存修復技術 院修了。)

240427 KATAGAMI Style ― 世界が恋した日本のデザイン展 (~5/27) @ 三菱一号館美術館 (丸の内二丁目)
(型紙というデザイン手段の共有によって、思いがけなくも豊かな美の様式の伝播が日本からヨーロッパ各国へ行われた、このドラマに感動した。英米仏蘭独と、展示室ごとに国をかえて物語を見せてくれる。)

240426 マイ・ファースト・アート (~5/1) @ 銀座三越8階ギャラリー (銀座四丁目)
(2万円から高くても10万円のお手頃価格の良品ばかりの良心的企画。上田雄三さんのキュレーションによる。アイズピリや猪熊弦一郎さんの石版画が10万円以下で買えるなんて。西川祥子さんの炙り出し絵や、新谷一郎さんのカバのオブジェ群など、かなり惹かれた。DM葉書は愛媛在住の一色映理子さんからもらった。)

240425 太田侑子展 (~4/28) @ Gallery b. Tokyo (京橋三丁目)
(油画の技術もセンスも抜群だが、絵に出てくる女性の顔がことごとく嫌悪感をもよおすブスである。わざとそういう女性を描いてインパクトをねらってるのだろうけど、思い余りて需要とミスマッチ。女性の顔をふつうに描けば、完売作家は夢でない。怪獣フィギュアを描いた絵だけ、欲しいなと思ったけど、それだけ非売品になっていた。金沢美工大卒。)

240424 東風坊託孤窯 永江俊昭 陶展 「登り窯初窯展」 ~季節の取り合わせと懐石の器~ (~4/28) @ 柴田悦子画廊 (銀座一丁目)
(波照間焼、唐津、織部、志野、呉須赤絵など、さまざまなスタイルをよく勉強なさって、新作なのにまるで骨董コレクションの如し。)

240424 中川麻記個展 (~4/28) @ スルガ台画廊 (銀座六丁目)
(花卉草木の枯れを描く。このモチーフは、ぼやっとした作品がとかく多いなか、ひとつひとつメリハリがあり、ひきつける。力のある作家。東京藝大 博士号取得。冬子に続け、だね。)

240424 4人展 C-Depot Selection (~5/2) @ ギャラリー・しらみず美術 (銀座五丁目)
(金丸悠児さんがキュレーターとして、自身の新シリーズと、桜井美奈子・長坂絵夢・茂木あすかさんのカラフルな世界を披露。)

240424 浅野勝美作品展 [黒猫のナジャ・プロローグ] (~4/28) @ ぎゃらりぃ朋 (銀座一丁目)
(人物+妖艶の銅版画。赤錆色が窯変する色調。昭和33年生まれ。)

240424 千真圭版画展 ―Africa 物語― (~4/29) @ Oギャラリー (銀座一丁目)
(Chun Jin Kyoo さんの木版画。アンリ・ルソーの目を感じる。小品があれば1枚買ったのにね。横長の森林作品をくるくる巻物にしてお宝にしたくなった。平成5年生まれ、弘益大・版画卒、東京藝大 院修了、多摩美後期博士課程修了。)

240423 エクスリブリス・コンチェルタート ~日欧幻想蔵書票展~ (~4/28) @ ヴァニラ画廊 (銀座六丁目)
(3作品を購入した。
Konstantin Antioukhin さん、昭和40年ウクライナ生まれ。その細密な幻想銅版画は実にお買い得だった。"The Pear" はオランダ人の Peer 氏のための蔵書票だが、梨の中ほどの見立てがおもしろい (sep mil okcent dek ok)。"The Violinist" はオノレ・ドーミエを思わせる秀品 (dek unu mil sepcent sesdek)。
前川幸夫さんの 「こっち見るな」 は、素足フェチのぼくとしては、ほうっておけない作品。しかも Yukio とぼくの名も入ってるし。
展示はほかに、Franz von Bayros にはじまり、アルフォンス井上、蒲地清爾、木村紗由香、杉本一文、多賀 新、高橋未歩、丹野恵理子、林由紀子、宮島亜紀、Natalija Cernetsova, Konstantin Kalynovych, Jiri Brazda さんの作品。)


240423 百々 新(どど・あらた)写真展 「対岸」 (~4/24) @ 銀座 Nikon Salon (銀座七丁目)
(アゼルバイジャン、ウズベキスタンなど中央アジア諸国の、廃墟に足指をつっこんだ臭いのする文明の群像写真。)

240423 宮城 澄(すみ)展 (~4/28) @ ガレリア・グラフィカ bis (銀座六丁目)
(腹を檻にして卵を貯める鶏。鶏卵はこぼれ落ち。油画テーマを日本画で描く。昭和53年生まれ、多摩美日本画 院修了。)

240421 生誕100周年記念写真展 ロベール・ドアノー Retrospective: Robert Doisneau (~5/13) @ 東京都写真美術館 地下1階展示室
(必見の写真展だった! 1作1作の写真が、そんじょそこらの絵画以上に、完璧なリアリズム絵画を思わせる。ドアノーさんの構成力に負ける画家とは、そもそも画家として現実にないものを描ける特権を生かせてないわけだ。
ポスターに使われている 「パリ市庁舎前のキス」 (昭和25年) や、数々の有名人ポートレート写真など みごとだが、ぼくが心酔したのは 「ゆれるワンダ」 (昭和28年) の踊り子。)


240420 ユベール・ロベール ―時間の庭― (~5/20) @ 国立西洋美術館
(Hubert Robert (享保18年~文化5年) の廃墟風景画。ポスターに使われた 「古代遺物の発見者たち」 などの油画は絶品。しかし、展覧会の大部分はサンギーヌ (紅殻コンテ) で描かれた素描で、これが全然おもしろくない。ややがっかりの展覧会で、なるほど客も通常の半分以下だ。むしろ、新館2階版画素描展示室で 5/20まで開催の 「ピラネージ『牢獄』 展」 のほうが、ぼく好み。)

240420 佐藤 香 「すべては渦の中にある」 ―わたしの故郷、福島― (~4/21) @ Pepper's Gallery (銀座七丁目)
(故郷の黒土や赤土と接着剤を混ぜて絵具とし、渦に満ちた縄文絵画を描いた。東京藝大の修了展で作品を見たとき、岩絵具の原点だと感服したのを記憶している。東北藝工大洋画卒、東京藝大壁画専攻 院修了。)

240420 アートジュエリー展 (~4/30) @ 靖山画廊 (銀座五丁目)
(大粒の琥珀に高蒔絵をほどこした、みごとな仕事の数々。那須 勲さんのコンセプトデザインのもと、松山武司さんが高蒔絵の技を駆使。ほかに、太田藤三郎さんの組紐。)

240419 望郷/山口 晃 展 (~5/13) @ メゾンエルメス8階フォーラム (銀座五丁目)
(「忘れじの電柱」 は、平成22年12月の銀座三越の山口 晃 展で見た電柱オブジェの発展形だ。「Tokio 山水 (東京圖2012)」 は制作途中の東京鳥瞰図。いまの皇居前広場には華族会館や近衛師団があり、それが東京国際フォーラムや三菱一号館と同時存在している。)

240419 三岸(みぎし)節子展 (~4/26) @ 日動画廊 (銀座一丁目)
(三岸さんの作品は以前 日本橋高島屋の展覧会で見て、大胆な筆致でありながら何も足せず何も引けない完成度に打たれた。今回は油画大作から手すさびまで。)

240419 葛飾北嵩(ほくすう) 「合鏡(あわせかがみ)
(ある事情があって、文政5年発行の艶本 「合鏡」 から剥がした大判錦絵を高名な浮世絵研究者から譲っていただいた。男女のプロポーションが西洋的で、女性が小袖の下にまとっている花柄の縮緬も洋装の雰囲気があって、まるで明治期の錦絵のようなハイカラさがただよう。ありがとうございました。)

240418 波磨(はま)悠子展 (~4/22) @ Oギャラリー UP・S (銀座一丁目)
(波磨さんの作品 「cloud collecter」 を以前、Oギャラリーで買った。きょうは 2枚組のエッチング+木版作品 「ひとり」 を購入 (dek mil)。卵型の丸眼禿頭キャラが、今回は版画を飛び出して立体作品にもなった。)

240418 長野順子銅版画展 ―日出ずる処より― (~4/28) @ T-BOX (八重洲二丁目)
(今回は龍をモチーフにした作品が多い。なかでも 「森の目覚め」 は、西洋と支那の混在する城郭を日本の山城ふうに積み上げた不思議な建造物に龍が絡むが、夢幻の城を建築のロジックが貫いている。画廊オーナーの高橋盛夫さん曰く、長野順子さんはじつは一級建築士から銅版画家に転身したのだと。なるほど。小品の、花と戯れる妖精も新たなキャラだ。)

240417 Spring Fair (~4/28) @ Gallery Tsubaki (京橋三丁目)
(7人展。森 洋史さんや中村亮一さん、呉 亜沙さんの新作に会えてハッピーです。韓国人作家の Yoo Yongsang さんのワイングラスの息づくリアリズムが、すごい。Oh Sujin さんのオードリー・ヘップバーンのポートレート、とってもすばらしいのに現代アートを主張して描き足した部分がぼくから見ると余分。思い余りて、かな。佐藤未希さんの、リアリズムをリアリズムで破壊するスタイルも、成功と失敗の線上にあって、これからも闘いが続くんだろうな。Lee Dongjo さんの、韓国パッチワークで赤ん坊を描き出すスタイルも本邦初公開。)

240417 古井彩夏(あやか)展 (~4/21) @ ギャラリーなつか (京橋三丁目)
(金工の抽象作品。ゆがみを残してあるのは、未完成感があるけれど、やさしさも感じられる。作家が女子美の美女でした。このジャンルは男性作家の領域というイメージなので、意外!)

240417 森田晴樹日本画展 (~4/21) @ 柴田悦子画廊 (銀座一丁目)
(モノクロにかすかに金をいれて描き切った月下美人や薔薇に魔性すら感じる。昭和27年島根県生まれ、京都市立藝大日本画卒。)

240417 TOYBOX Trevor Brown and HippieCoco (~4/28) @ スパンアートギャラリー (銀座二丁目)
(Trevor Brown さんの "Cosmic Kitty" は、ぼくの部屋のいいところに飾ってある、これまでぼくが買ったなかでいちばんの大作です。今回はお手頃サイズの Trevor world でした。それをジオラマふうにぬいぐるみにしたのが HippieCoco さん。ひょっとして、きれいな奥様の Izumi Brown さんかな。ギャラリーでは Trevor さんがにこにこ坐っていて、ぼくは奥で Trevor さん署名入りのアリス・シリーズのポスターを2点 (@ mil ducent) 買いました。)

240414 TETTA|in cloud (~5/19) @ Gallery MoMo Ryogoku (墨田区亀沢一丁目)
(TETTA こと杉本聡子さんの個展。佛像・佛画のキャラに今を装わせる。今回は平等院鳳凰堂の雲中供養菩薩をモチーフに。昭和57年生まれ、多摩美油画 院修了。アーツ千代田3331で三十三間堂プロジェクトなる佛像顔変装写真撮影企画を立ち上げたひとでもある。
大きな可能性を秘めたひとだが、今回の作品そのものには不満なり。ベニヤ板に下塗りせず直接に絵を描いて、印刷木目が背景でございと居直っちゃったのは、怠慢だと思うね。着衣の色塗りなんか上手にできてるんだから、絵の全面を自分の色塗りで勝負してほしい。)


240414 片山康之個展 ―Redirect― (~4/21) @ Gallery Suchi (日本橋茅場町二丁目)
(多摩美彫刻を卒業して東京藝大の院に入った中里洋介さんが、消火器の立体ポロックちゃんというべき作品をもって訪ねてきていた。Suchi さんのスコープ内の作家と思いますが、中里さんにはあともう一歩、「ここまでやるか!」 とうならせるものを見せてほしいな。いまはアイディアの瞬間藝という感じがする。)

240413 生誕100年 ジャクソン・ポロック展 (~5/6) @ 東京国立近代美術館
(呼びものの、テヘラン現代美術館所蔵 「インディアンレッドの地の壁画」 のような、ポーリングとドリッピングの大作もいいけれど、ぼくはむしろそれ以前の、ピカソふうの 「トーテム・レッスン2」 や 「ブルー-白鯨」 にひかれる。作風をめまぐるしく変えた、短く太い人生。
お宝のお土産として入口で「開館60周年記念手帳」をいただきました。10月16日から来年1月14日までベストセレクション展がある由。とても楽しみです。)


240412 マンカイ (~4/17) @ 万(よろず)画廊 (銀座一丁目)
(艶なる知的空気がひろがる伊藤 愛さんが名古屋から東京に移ってくださった。4月11日が初日ですが、その翌日昼おじゃましました。路地に面した角地1階にひたすらガラス戸のオープンな店構え。いまはお披露目10人展。昭和56年生まれドイツ在住の青山祐功(たすく)さんの油画は、枝 史織さんのテーマを別作風で展開したような感じ。松永 賢さんのモノクロポートレート画。)

240411 第6回 「1_WALL」 展 (~4/19) @ ガーディアン・ガーデン (銀座七丁目)
(最終審査に残った6名の作品展。さすがグランプリの熊谷勇樹さんは、いい。玉川大在学中というが、被写体のゆらぎを安定したアングルがしっかりととらえる。飽きさせない写真が撮れるひとだ。)

240411 十七代 永樂善五郎展 寿ぎの譜 (~4/21) @ ギャラリー桜の木 銀座 (銀座五丁目)
(十七代は、東京藝大でまず日本画を修めたのち、院で陶藝を修了した。陶藝作品というより、日本画がたまたま茶道具に舞い降りたという心地。期待を大きく上回る美体験だった。日本画にはさわれないが、この茶碗の持ち主は、指でめで唇でめでる。)

240411 第2回 4人展 上野明美・加藤修・本田希枝・向井隆豊 (~4/17) @ ギャラリー・しらみず美術 (銀座五丁目)
(加藤 修さんのレリーフ画のメッセージ性。さらにひとひねりできそうで、おもしろい。)

240410 マイ・アヤコ展 (~4/14) @ Gallery Q (銀座一丁目)
(静謐華麗なる写真アート。北川健次さんの世界に通じるものを感じた。)

240409 吉田夏奈展 ― Panoramic Forest ― Panoramic Lake ― (~4/25) @ LIXIL ギャラリー (京橋三丁目)
(吉田夏奈さんのクレヨン+オイルパステルによる長大な連続パネル画 「Beautiful Limit ― 混沌への冒険」 を平成23年にオペラシティで見て、現代感覚で増幅された山水画体験が鮮烈だった。今回は山ではなく湖の鳥瞰を巨大なテーブル画で再現。昭和50年東京生まれ、広島市立大デザイン工藝、いま小豆島在住。)

240409 大島尚子展 (~4/14) @ T-BOX (八重洲二丁目)
(やさしい蟻の目線で世界をとらえ直している。絵のなかにいるのは、人と月と煉瓦文明と水。ずいぶんカラフルになったなと思ったら、ファイルを拝見するともともとカラフルな作品もつくるひとだった。前回の個展で作品を購入した作家です。)

240406 フフフ~ン部シンイチ個展 放課後のラストパーティ (~4/14) @ ギャラリー・トリニティ (赤坂九丁目)
(ヘタウマに属する、金紙貼絵を交えたイラスト画。いいセンスはしてるのだけど、制作途中の感じ。余白を埋めて、見るひとに「お~~」と言わせてほしい。いまのままだと、ほんとにフフフ~ンで終わっちゃうよ。
さてギャラリー・トリニティは、ギャラリストの新井周子(しゅうこ)さんに会うのが楽しみだったのですが、4月6日かぎりで新たなキャリアに向けて転身される由。最終日となるのは残念ですが、お会いできてよかった。拙著をお渡ししました。)


240405 ワタベカズ展 (~4/15) @ 靖山画廊 (銀座五丁目)
(ワタベさんの立体作品にますます磨きがかかってきた。ギャラリストの佐甲朋子さんにもまたお会いできてラッキーでした。)

240402 Japanese Beauty (~4/9) @ ミレージャ ギャラリー (銀座二丁目)
(人物イラスト画の7人展。茂木沙苗さんの大正ロマン木版画ふうの水彩画がすてき。茂木さんの絵は、1枚もっているのです。
あと、よかったのは奥田 鉄(まがね)さんの和装美人。特製イラスト切手つきの絵葉書を買いました。お名前が 「鉄」 ですが、女性です。)


240405 ポーラミュージアムアネックス展 2012 ―華やぐ色彩― (~4/22) @ ポーラミュージアムアネックス (銀座一丁目)
(徳永陶子(とうこ)、梅原麻紀、橋爪 彩(さい)、野口香子(こうこ)の4人展。うち、橋爪さんの細密写実人物画がぼく好みだが、この作家も眼を描かないひとだ。ぼくにとっては眼と素足がチャームポイントなんだけど。高橋コレクション入りした大作 “Girls Start the Riot” は、右側の女の子の左脚の位置と長さがおかしい。そういうチグハグに気づく脳って不思議だね。)

240404 佛淵静子展 2012 (~4/10) @ 柴田悦子画廊 (銀座一丁目)
(手足の姿勢に語らせる。見えない台を手足の位置と向きで浮かび上がらせる絵が、いい。今回はドリルをかまえた絵が新機軸;「一番星」 という絵のタイトルは、穿孔した小穴を一番星に見立てた。といっても、穿孔する板は描かれない。)

240402 TDC展 2012 (~4/25) @ ギンザ・グラフィック・ギャラリー (銀座七丁目)
(ビビッときたのは、漢字・かなの秀英体 平成大改刻 by 大日本印刷秀英体開発室。フォントは、物語だ。)

240402 小松崎茂原画展「宇宙船地球号」 (~4/14) @ ヴァニラ画廊 (銀座六丁目)
(少年雑誌の口絵で見た想像未来。ヴァニラ画廊は、入場料500円を基本に企画展を行うことを決めたようだ。ぼくはこの方針に賛成。販売を前提としない企画展は、客からカネをとって見せればいい。老舗の企画画廊で、いかにも入りにくい雰囲気の場所があるが、「いっそ入場料を取ってくれ」 とぼくはかねてより思っている。)

240402 渡辺おさむ展 Sweet or Unsweet? (~4/8) @ 東京国際フォーラム1F フォーラムアートショップ内ギャラリースペース (丸の内三丁目)
(いまや肩書もフェイククリームアーティスト。作品を最初見たときは驚きがあったが、ぼく的には飽きるのも早かった。つぎは和菓子やタイ国の菓子と洋菓子の対決が見たい。)

240331 横田美晴絵画展 薔薇色の少女たち (~4/5) @ ドラードギャラリー (早稲田鶴巻町)
(横田さんの作品は facebook で拝見して、かねて敬服の的だった。「アリスの証言」 を購入 (okdek kvar mil)。手塗りで下地を施した木の板にジクレープリントしたもの。横田さんの作品は完成度を極限まで高めたイラストの趣きだが、この作は絵画性がつよい。画廊オーナーの小原聖史さんも facebook でよく拝見していたが、ようやくお話しができた。横田さんを囲むパーティーは、ご友人たちが異次元体験を披露しあって、まるで一幕ものの演劇のようだった。)

240330/31 アートフェア東京 2012 (~4/1) @ 東京国際フォーラム地下2階展示ホール (丸の内三丁目)
(都合4点、16万8千円の買い物をしてしまった。詳しくはブログ本篇をご覧ください。)

240330 漆黒のラビリントス [graphite] (~4/7) @ スパンアートギャラリー (銀座一丁目)
(鉛筆画7人展。具象幻想写実。小川香織さんの作品が、ぼく好みです。)

240330 下田ひかり個展 この星の子ども (~3/31) @ ヴァニラ画廊 (銀座六丁目)
(下田さんの小品を Gallery Trinity で買って持っている。今回からはじまった丸いガラス目のキャラより、以前の山羊目のキャラのほうがぼくは好き。エロティックアート専門のヴァニラ画廊では通常扱わない現代アートだが、そのクロスオーバーが出会いを生むらしく、いつもと異なる客層が来たり、ひごろ緊縛画しか買わないコレクターによる購入もあったとか。)

240330 平良美樹個展 イキモノ譚 (~4/1) @ 東京画廊 BTAP (銀座八丁目)
(呪文のようにみえる文字を書き連ねた赤茶けた布でつくった巨大な目玉おやじだ。)

240330 小鉢公史(こばち・ただふみ)展 (~4/7) @ ガレリアグラフィカ (銀座六丁目)
(ファンタジックな裸身木彫。昭和36年島原市生まれ、多摩美 院修了。フィレンツェに4年間滞在。)

240329 川越ゆりえ個展 (~3/31) @ スルガ台画廊 (銀座六丁目)
(想像上の昆虫のフィギュアを大ぶりに、カラフルに。国展とシェル美術賞展で作品を見てこのブログでほめたら、それを川越さんがネット検索して発見し、ぼくにメールで個展案内をくれた。そして対面が実現した。今後の展開について泉流のアドバイスをさせていただきました。)

240329 小木曽誠展 巡(じゅん) (~4/11) @ 日動画廊 (銀座五丁目)
(細密写実だが、明暗コントラストを実体よりはっきり描くのが小木曽さんの作風だ。今回は、イタリアやクロアチアの古都風景画が大半。ぼくの好みは少女の絵; 本画は予算オーバーなので、ぜひ版画作品を増やしてほしいところ。今回も少女の版画が数枚あったが、女性の肌に版画なりの汚れを残したのがぼくの目から見ると残念。作家がおられたが、なにせ日動画廊の権威に圧倒されて、話しかけそびれた。)

240327 オチ マリエ展 「朝の日にやむ」 (~3/31) @ アート★アイガ (八丁堀二丁目)
(少女を描く。上田風子(ふうこ)さん風に。ただ、上田風子さんのように出来事を創造するひとではないようだ。過去ファイルを見ると、イラストから絵画への成長が見える。鉛筆画のなかに売約済でなければ買っていたものが何点か。)

240325 第3回ららぽーと東京 Office Art Exhibition (~9/29 ただし一般公開は 3/25, 6/8, 8/31 の夕方のみ) @ 浜町センタービル12階 (日本橋浜町二丁目)
(7人の若い作家の作品を作家ごとに別の会議室に飾る。上田雄三さんのキュレーション。Gallery Q でお会いした松山在住の一色映理子さんに再会。多摩美油画 院修了の小堀由弥子さんの油画が、マチエールを楽しませる作風の人物画で好感。きれいな人である。自画像を描いてくれるかな。)

240324 おかもとかおり個展 「それぞれの空」 (~3/24) @ ギャラリー・トリニティ (赤坂九丁目)
(モチーフや景色の切り取り方に阪本トクロウさんを感じた。おかもとかおりさん本人はトクロウ作品を知らなかった。おかもとさんの持ち味は、何層にも絵具を薄く重ねた くすんだ藍色の深さ。夜の色。これはトクロウさんにはない、おかもとさんならではのものだ。
色の魔力から去りがたく、ワイヤの柵にからまる枯れ蔦を描いた「巡らす」を購入(tridek nau mil naucent)。昭和46年三重県生まれ、京都精華大 洋画。)


240324 吉永 蛍 展 ―あの日、忘れものを探しに出かけた街の風景のつづきは― (~4/1) @ Shonandai MY Gallery (六本木七丁目)
(安部公房作品の夢のつづきのような。だから吉永さんには『壁』を読んでみてね、と勧めた。小さなキャンバスを縦横連結の連作にしたのは、いいアイディア。多摩美油画 院修了。)

240324 第88回 白日会展 (~4/2) @ 国立新美術館
(写実中心で人物画が多く、ぼくの好みにピッタリの展覧会。いままで白日会展に来なかったのが残念。これからは欠かさず来るつもり。
今回は、舟木誠一郎さんにご案内をいただいた。ウェブ上で拝見した舟木さんの作品が気に入って、メールを差し上げたのがご縁。今回の 「浮遊薔薇」 は、泉鏡花の世界の妖しさがただよう、どきっとさせる裸婦。
写真を買ったのは、舟木誠一郎 「浮遊薔薇」、小木曽誠 「静徹なものたち」、大平嘉和 「夢の夏」、中尾直貴 「making」。)


240324 ジミー大西作品展 (~3/26) @ 日本橋三越本店本館7階催物会場 (日本橋室町一丁目)
(絵画というよりデザインなんだな。色も図柄も退屈で、ぼくはまったく興味が湧かなかった。それにしても三越の値づけは驚異的で、ぼくの見たところ絵画としての価値は3万円ていどと思われる作品に300万円台の値段がついている。値段の99%が有名人税ということだね。それでも何点か売れていたから、ビジネスとしては正しいのだろう。6階美術特選画廊で開催しなかったところが三越のせめてもの良心か。)

240324 小林裕児と物語展 ―森からの声― (~3/27) @ 日本橋三越本店本館6階美術特選画廊 (日本橋室町一丁目)
(シャガールふう。ローマ字日本語で KOTOBA などと絵に描き込みがあるものは、いただけない。絵画作品は、文字をメッセージとして使わないでほしい。それをやったら漫画。)

240322 日本の映画ポスター藝術 交差する<シネマ><絵画><グラフィック> (~3/31) @ 東京国立近代美術館フィルムセンター7階展示室 (京橋三丁目)
(はげしく心を掻き立てられるジャンルだ。)

240321 八代淳子展 ―漆の器― (~3/27) @ 銀座三越8階ギャラリー (銀座四丁目)
(木目や削り目を生かしつつ、鄙びずモダン。お手ごろ価格だった。東京藝大漆藝 院修了。)

240321 米(よね)純一郎展 (~3/24) @ Gallery Q (銀座一丁目)
(一面の荒涼に立つわが国会議事堂は、廟のように見える。街の瞬間をスナップした絵はエドワード・ホッパーを思わせる。)

240320 多摩美術大学美術学部卒業制作展・大学院修了制作展 (~3/23) @ 多摩美術大学八王子キャンパス
(楽しみにしていた卒展! グラフィック・アート、彫刻・工藝はいいし、日本画や版画も一定水準だったけど、学部生の油画は悲惨だったな。奮起を期待します。)

240319 篠田桃紅(とうこう)展 艸上花下 石上樹下 (~3/31) @ ギャラリー桜の木 銀座 (銀座五丁目)
(ことし白寿、墨による抽象画で世界的有名人の桃紅さんのことを浅学のわたしは全く知らなかった。汐留のコンラッド・ホテル上層階のレストランフロアに大作がかかっている由。)

240319 深井 国(ふかい・くに)展 ―幻を遊ぶ Romanesque― (~3/24) @ ギャラリー・オカベ (銀座四丁目)
(古典劇の舞台を観るよう。日本画のような太く黒い描線に、油彩彩色。ぼくの好きな主題だが、手法のミスマッチゆえにイラストふうの仕上がり。)

240319 金井杜道展 ―韓国風景写真― (~3/24) @ ギャラリー・ミハラヤ (銀座一丁目)
(韓国・外岩里村(マウル)の藁葺き民家や書院。いまもこの風景があるとは!)

240317 VOCA (The Vision of Contemporary Art)2012 展 現代美術の展望 ― 新しい平面の作家たち (~3/30) @ 上野の森美術館
(VOCA 展に、信仰に近い尊崇が育っていたぼくだったが、今年のは不発だった。注目作、4つ。
桑久保 徹さん "Study of mom", 向こうは立山連峰か、いつものカラフルな海浜と打って変わって、白とグレーを基調に追悼感が支配する。
小村希史(まれふみ)さん 「終止符」 「フェーズ」、大首絵だ。顔をぐちょぐちょにした同氏の過去作品は評価しないが、今作は太い刷毛のような筆致で緻密な写実をし、まさに「何も足せない、何も引けない」緊張感を出している。
田中千智(ちさと)さん 「きょう、世界のどこか」、空間は漆黒、モノと光は白く、港を再発見する。銀座一丁目のギャラリー現で他作品を見て、VOCA 展展示の大作を楽しみにしていた。
そして近藤智美(さとみ)さん 「のこそうヒトプラスト」、ジグソーパズルの服を着た幼児、ふりむきざまにピースがおちる。Art Lab Tokyo が出した小冊子 「フォアグラプール」 を見ると、このひとがアートの世界に入ったいきさつが驚き。ひょっとしたら、フェミニンな会田誠になれるひと。海外留学させてあげたいな。)


240316 フェリーチェ・ベアトの東洋 J・ポール・ゲティ美術館コレクション (~5/6) @ 東京都写真美術館 2階展示室
(Felice Beato (天保3年生、明治42年没) の国際巡回回顧展。幕末日本の写真特集かと思っていたら、クリミア戦争、セポイの乱、第2次阿片戦争、そして文久3年以降20年にわたる横浜滞在中の写真、さらにビルマの写真など。地球が異星の集合体であったころの記録だ。)

240316 第40回日本広告写真家協会公募展 APA Award 2012 (~3/18) @ 東京都写真美術館 地下1階展示室
(広告写真も、女性の魅力の瞬間をストーリーのちからで引き出したものが、いい。)

240316 幻のモダニスト 写真家堀野正雄の世界 (~5/6) @ 東京都写真美術館 3階展示室
(明治40年生、平成10年没。第1部、大正末・昭和初期の演劇写真に、時代がぼくとつながったと感じる。第3部、グラフ・モンタージュ、つまり写真構成のルポルタージュだ。第4部、昭和11年撮 「4年後のオリンピックをめざして外国語を勉強する藝者たち」、昭和11~14年撮 「女学生のガスマスク行進、東京」。第6部、朝鮮の生活写真。)

240316 沙村広明(さむら・ひろあき)+森 馨 展覧会 『蹂躙史エピトマイザ』 ―ある幻想の娼館― (~3/24) @ ヴァニラ画廊 (銀座六丁目)
(エロティックアートにはストーリーがなければならないという真実を実証した展覧会。星間戦争で敗れた異星の少女たちの哀史。いちばんうつくしいのは、森 馨 作の人形の表情。)

240315 COMPLEX 大久保如彌(なおみ)・高井史子・寺島 茜・中井章人(あきと)・長谷川有里 (~4/2) @ 日本橋高島屋美術画廊X (日本橋二丁目)
(Gallery MoMo の大久保如彌さんのテキスタイルデザインの再描と空間の色分解はこころよいが、描かれる女性の眼をつねに隠してあるのが残念。昭和60年生まれ、武蔵美油絵 院修了。
寺島 茜さんは、緑の世界を追究する。緑の陰の色彩をだいじにしている。昭和55年生まれ、女子美洋画。
中井章人さんのオブジェ 「空想と時のなかに」 は、ガラスの中空にうかぶホログラムのような像がふしぎ。)


240315 分岐展 vol.2 平俊介・中井章人(あきと)・吉田晋之介 (~3/17) @ Gallery MoMo Roppongi (六本木六丁目)
(東京藝大油画の3人。中井さんは具象のような抽象、顕微鏡写真のような SF 画のような。平さん、発狂するクレーン、扇風機ビル。吉田さん、空間表現の挑戦。)

240315 黒須昇作品展 近作小品油絵 絵になにができるのか (~3/21) @ Art Space 繭 (京橋三丁目)
(東洋の宗教性を感じさせる素朴画。黒須さんは昭和23年福島県白河市生まれ、昭和53年からパリ在住。Art Space 繭へは ぼくは今回がはじめて。)

240315 平子(ひらこ)雄一展 庭先メモリーズ 見えない森 (~3/29) @ LIXIL ギャラリー (京橋三丁目)
(妖精に満ちた森。頸から上が、葉の茂り状態のヒトが棲息している。あるいはヒト化しつつある植物。昭和57年生まれ、Wimbledon College of Art 卒。)

240315 鉄川与助の教会建築 五島列島を訪ねて (~5/26) @ LIXIL ギャラリー (京橋三丁目)
(辺境 五島列島に、つつましくも威儀をもって立つ数多の教会建築。)

240315 佐々木忍展 ―白磁十二支大名行列― (~4/2) @ LIXIL ギャラリー ガレリアセラミカ (京橋三丁目)
(存外ちいさな白磁の侍人形の行列は、鼠侍にはじまり牛侍、虎侍、しんがりは猪侍。台座から落っこちた馬侍がいるのが、うれしい。昭和54年生まれ、女子美 陶造形 院修了。)


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